乳幼児の肘の脱臼?

乳幼児の肘の脱臼?

 小学1年生前(まれに小学生の低学年や滅多にありませんが中学生にも)の乳幼児に”肘が抜けた”と言って来院するお子さんがよくいます。脱臼したような症状で腕を動かさなくなりますが大人の脱臼とは少し違って、大した外力が加わらなくても(もちろん転んで受傷するケースもありますが)例えばちょっと手をひっぱたり、時には自分で寝返りを打っただけでも肘が抜ける場合もあります。

 これは未だ骨の形成が不十分なため、腕の骨の一部を覆っている靭帯から骨が外れそうになって起こる亜脱臼の状態で、肘内症と言います。運悪く、出先や休日や夜間に起きることも多いので親御さんは焦りますが例え腕は使わなくても一晩様子をみても心配ありません。翌日になっても変わらなければやはり医療機関に見せたほうがいいと思いますが。

 ここで注意して欲しいのがまずお話のできるお子さんでしたら”どうやって痛くなったのか”本人に確認して下さい。現場を見ていない時はなおさらのことです。なぜなら捻ったくらいで骨折することはありませんが、手を衝いて転んだ場合は骨折もありえます。そして反対側の健常な腕とよく見比べてください。肘内症で肘に腫れが出ることはありません。腫れがある場合は要注意です。また腫れがなくても転んだ場合、他の場所(鎖骨や手首)で骨折していることもあります。

 一日たってもおかしい場合はやはり医療機関に相談されたほうがいいかもしれません。ちなみに当院では時間外や休日でも在宅であれば必ず診ますのでお電話下さい。